昭和51年に『甍技塾』を開塾して以来、百数十名の塾生と生活をともにしてきましたが、とくに気になっていますことは「教えてもらっていないことは解らなくて当たり前」という「マニュアル型」が多くなっていることです。 仕事の上では「教わっていないことは出来ない」でもよいのですが、日常生活でもこのような考えでは、共同生活は成り立ちません。
わからないところでは何をしていてもよいという姿勢を修正するには、ともに寝起きを同じにして最低2年はかかります。 そして、そのような姿勢が修正されていくとともに、技能に伸びが見られるようになります。
これからは「マニュアル型よりも思考型の人材を育てることが大切」との思いから、その訓練を毎日の生活をともにする、 師匠・先輩・後輩・仲間の中で行っていきたいと考えています。 そして「葺師としての心」ができていけば、 瓦葺きの技はおのずと向上するものと思います。 塾生たちが自分自身の追いかけるものを見つける手伝いをする場所、それが『甍技塾』なのです。
塾長 徳舛 秀治